社労士(社会保険労務士)択一式の過去問演習


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平成23年 - 52問 厚生年金保険法(総合問題)

厚生年金保険法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

A.保険給付の受給権者の死亡に係る未支給の保険給付がある場合であって、当該未支給の保険給付を受けるべき同順位者が2人以上あるときは、当該同順位者の数で按分した額をそれぞれに支給する。
B.厚生年金基金が支給する障害給付金については、年金たる給付として支給するほか、当該受給権者の希望があれば年賦払として支給することができるが、その全部を一括して支給することはできない。
C.平成16年4月1日以前に受給権を取得した60歳台前半の老齢厚生年金(繰上げ支給の老齢厚生年金を含む。)については、雇用保険法に規定されている基本手当との調整は行わない。
D.在職老齢年金の支給停止調整額は、法律上、賃金等の変動に応じて改定する仕組みとなっている。平成23年度の在職老齢年金の支給停止調整額については、47万円から46万円に改定された。
E.障害厚生年金の受給権者が死亡したにもかかわらず、当該障害厚生年金の給付に過誤払いが生じた場合、返還金請求権に係る債務を弁済すべき者に支払うべき老齢厚生年金の支払金の金額を当該過誤払いによる返還金債権の金額に充当することができる。
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A. 誤り。厚年法37条5項。設問のケースでは、同順位のうちの1人が行った請求は、全員のためその全額につき行ったとみなされ、その1人に対して行われた支給は、全員に対して行なわれたものとみなされる。

B. 誤り。基金令26条の3、27条。厚生年金基金が支給する障害給付金は、年金として支給される場合と一時金として支給される場合がある。一時金たる障害給付金は、受給権者の希望により、年賦払いも可能である。

C. 誤り。平6附則25条1項。雇用保険法の基本手当と併給調整を行わないのは、「平成16年4月1日以前」ではなく、「平成10年4月1日前」に、60歳台前半の老齢基礎年金の受給権を取得した者である。

D. 正しい。厚年法46条3項・4項。

E. 誤り。厚年法39条の2。設問のケースにおける過誤払いによる返還金債権への充当は、「老齢厚生年金」ではなく、「遺族厚生年金」の受給権者について行われる。

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