社労士(社会保険労務士)択一式の過去問演習


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平成23年 - 33問 一般常識(労働経済)

賃金や雇用に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
なお、本問は「平成22年版労働経済白書(厚生労働省)」を参照しており、当該白書又は当該白書が引用している調査による用語及び統計等を利用している。

A.大企業においては、長期勤続によって形成される職業能力を評価する傾向が、中小企業よりも強く、そのため、賃金構造においても勤続評価の部分が大きい。また、こうした勤続評価と企業内での人材育成が結びつき、長期勤続者の割合も中小企業より高くなっている。
B.長期雇用慣行や年功賃金は日本企業の競争力を低下させる要因であると批判されたため、両者に対する人々の考え方は、2001年以降、良くないものだとする傾向が強くなっている。
C.一人当たり雇用者報酬(平均賃金)の変化率は、2000年代になってマイナスになっているが、その最も大きな要因は、外国人投資家の増加によって株主への配当を増やす圧力が高まり、ボーナスが低く抑えられた結果として、正社員の受け取る給与総額が減少したためである。
D.賃金カーブの企業規模間格差は、1990年以降、拡大する傾向にある。それは、大企業が経営合理化によって生産性を向上させ、支払能力が高まったのに対して、中小企業では大企業ほど生産性が上がらなかったためである。
E.付加価値に占める人件費の割合である労働分配率を1985年以降についてみると、資本金10億円以上の企業は50%程度、資本金1億円未満の企業は70%程度で、景気変動とはかかわりなく推移している。
解答をチェック!
A. 正しい。厚生労働省「平成22年版労働経済白書」。

B. 誤り。厚生労働省「平成22年版労働経済白書」。2001年以降は、長期雇用や年功賃金を良く評価する割合が高まっている。

C. 誤り。厚生労働省「平成22年版労働経済白書」。一人当たり雇用者報酬の変化率が、2000年代になって減少している主因は、非正規雇用比率の上昇である。

D. 誤り。厚生労働省「平成22年版労働経済白書」。一般労働者の賃金カーブをみると大企業と中小企業の格差は、長期的には縮小傾向にある。主因は長期勤続者構成が縮まったことによる。

E. 誤り。厚生労働省「平成22年版労働経済白書」。労働分配率は景気変動に伴って推移している。

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