社労士(社会保険労務士)択一式の過去問演習


>>平成21年 過去問

平成21年 - 15問 労災保険法(傷病補償年金)

傷病補償年金に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

A.傷病補償年金は、業務上の傷病に係る療養の開始後1年6か月を経過した日の属する月の翌月の初日以後の日において次のいずれにも該当し、かつ、その状態が継続するものと認められる場合に支給される。
①当該傷病が治っていないこと
②当該傷病による障害の程度が厚生労働省令で定める傷病等級に該当すること
B.業務上の傷病が療養の開始後1年6か月を経過しても治らず、かつ、その傷病により例えば次のいずれかの障害がある者は、厚生労働省令で定める傷病等級に該当する障害があり、傷病補償年金の受給者になり得る。
①両手の手指の全部の用を廃したもの
②両耳の聴力を全く失ったもの
③両足をリスフラン関節以上で失ったもの
④胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの
C.傷病補償年金は、労働者の請求に基づき、政府がその職権によって支給を決定するのであって、支給の当否、支給開始の時機等についての判断は、所轄労働基準監督署長の裁量に委ねられる。
D.傷病補償年金の支給事由となる障害の程度は、厚生労働省令の傷病等級表に定められており、厚生労働省令で定める障害等級の第1級から第3級までの障害と均衡したものであって、年金給付の支給日数も同様である。
E.傷病補償年金の受給者の障害の程度が軽くなり、傷病等級表に定める障害に該当しなくなった場合には、当該傷病補償年金の支給は打ち切られるが、なお療養のため労働することができないため賃金を受けない状態にある場合には、政府が労働者の請求を待たず職権で休業補償給付の支給を決定する。
解答をチェック!
A. 誤り。労災法12条の8第3項。傷病補償年金は「疾病に係る療養の開始後1年6か月を経過した日の属する月の翌月の初日以後」ではなく、「疾病に係る療養の始後1年6箇月を経過した日又は同日後」について支給される。

B. 誤り。労災法12条の8第3項。設問に掲げられている①から④までの障害は、いずれも労災法施行規則別表第2に規定する傷病等級表に掲げられておらず、傷病補償年金は受給できない。

C. 誤り。則18条の2第1項。傷害補償年金の支給開始にあたっては労働者の請求は必要なく、被災労働者が傷害補償年金の支給要件に該当することになった場合に、所轄労働基準監督署長が職権により支給の決定を行う。

D. 正しい。則18条の2第1項。

E. 誤り。労災法12条の8第2項。休業補償給付を受けようとする者が政府に請求することによって、必要に応じて傷病補償年金の受給権が消滅した月の翌月から休業補償給付が支給される。

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