社労士(社会保険労務士)択一式の過去問演習


>>厚生年金保険法の過去問一覧

平成20年 - 51問 厚生年金保険法1

障害厚生年金等に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

A.厚生労働大臣は、障害厚生年金の受給権者が、重大な過失により、その障害の程度を増進させたときは、当該障害厚生年金の額の一部につき、その支給を停止し、又はその者の障害の程度が現に該当する障害等級以下の障害等級に該当するものとして、当該障害厚生年金の額の改定を行うことができる。
B. 障害の程度が障害等級の1級又は2級に該当する者に支給される障害厚生年金の額に加算されている配偶者の加給年金額は、配偶者の生年月日にかかわらず、当該配偶者が65歳に達した日の属する月の翌月分から加算されなくなる。
C. 傷病が治らないで、身体の機能又は精神若しくは神経系統に、労働が制限を受けるか、又は労働に制限を加えることを必要とする程度の障害を有する状態であって、厚生労働大臣が定めるものは、障害等級3級の障害の状態に該当する。
D. 障害等級3級に該当する障害厚生年金の受給権者(受給権を取得した当時から障害等級の1級又は2級に該当したことはなかったものとする。)に、65歳に達する日以後に更に障害等級2級に該当する障害厚生年金を支給すべき事由が生じたときは、前後の障害を併合した障害の程度による障害厚生年金が支給される。
E. 傷病の初診日において被保険者であった者について、障害認定日には障害等級に該当する程度の障害の状態になかったが、同日後65歳に達する日の前日までに当該傷病により障害等級に該当する程度の障害の状態になり、かつ、初診日において保険料納付要件を満たしているときは、65歳以後であっても障害等級に該当した日から3年を経過していなければ、障害厚生年金の支給を請求することができる。
解答をチェック!
A. 誤り。障害厚生年金の受給権者が、故意若しくは重大な過失により、又は正当な理由がなくて療養に関する指示に従わないことにより、その障害の程度を増進させ、又はその回復を妨げたときは、当該障害厚生年金の額の改定を行わず、又はその者の障害の程度が現に該当する障害等級以下の障害等級に該当するものとして、同項の規定による改定を行うことができるとあり、「当該障害厚生年金の一部につき、その支給を停止」することはできない(法74条)。

B. 誤り。配偶者が大正15年4月1日以前に生まれた者である場合には、当該配偶者が65歳に達した日の属する月の翌月分から加算されなくなる(法50条の2、3項、法附則60条1項)。

C. 正しい。法47条2項、令3条の8、令別表第1、14号

D. 誤り。受給権を取得した当時から障害等級の1級又は2級に該当したことがなかったものについては、併合認定は行われない(法48条1項カッコ書)

E. 誤り。疾病にかかり、又は負傷し、かつ、その傷病に係る初診日において被保険者であつた者であって、障害認定日において障害等級に該当する程度の障害の状態になかったものが、同日後65歳に達する日の前日までの間において、その傷病により障害等級に該当する程度の障害の状態に該当するに至ったときは、その者は、その期間内に同条第一項の障害厚生年金の支給を請求することができる。従って、「65歳以後であっても障害等級に該当したひから3年を経過していなければ、障害厚生年金の支給を請求することができる」との記述は誤り(法47条の2、1項)。

8