社労士(社会保険労務士)択一式の過去問演習


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平成23年 - 42問 健康保険法(保険給付)

健康保険の保険給付に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

A.被保険者が故意に給付事由を生じさせたときは、当該給付事由に係る保険給付は行われないため、自殺により死亡した場合の埋葬料は支給されない。
B.健康保険法は、業務外の事由による疾病等に関して保険給付を行うこととされているが、当面の暫定的な措置として、被保険者が5人未満である小規模な適用事業所に所属する法人の代表者(労働者災害補償保険法の特別加入となっている者及び労働基準法の労働者の地位を併せ保有すると認められる者を除く。)であって、一般の従業員と著しく異ならないような労務に従事している者については、業務上の事由による疾病等であっても、健康保険による保険給付の対象となる。ただし、傷病手当金は支給されない。
C.継続して1年以上被保険者(任意継続被保険者、特例退職被保険者及び共済組合の組合員である被保険者を除く。)であった者であって、被保険者の資格を喪失した際に傷病手当金の支給を受けている者は、被保険者として受けることができるはずであった期間、継続して同一の保険者から傷病手当金を受けることができる。ただし、資格喪失後に任意継続被保険者になった場合は、その傷病手当金を受けることはできない。
D.被保険者資格を喪失後に傷病手当金の継続給付を受給している者が、老齢又は退職を支給事由とする年金である給付であって政令で定めるもの(以下「老齢退職年金給付」という。)の支給を受けることができるとき、老齢退職年金給付は支給されない。
E.被保険者資格(任意継続被保険者及び特例退職被保険者を除く。)を取得する前にかかった疾病又は負傷の資格取得後の療養について、療養の給付を受けることはできるが、傷病手当金は支給されない。
解答をチェック!
A. 誤り。昭26.3.19保文発721号。埋葬料は被保険者であった者に生計を依存していた者で埋葬を行う者に対して支給される性質ものであり、設問のケースにおいても支給される。

B. 正しい。健保法53条の2。

C. 誤り。健保法104条。任意継続被保険者であっても、当該任意継続被保険者の資格を取得した日の前日まで引き続き1年以上当然被保険者であり、かつ当該当然被保険者の資格を喪失した際に傷病手当金の支給を受けていた者は、傷病手当金の継続給付を受けることができる。

D. 誤り。健保法108条4項。設問のケースでは、原則として老齢退職年金給付が支給されるため傷病手当金は支給されないが、老齢退職年金給付の額を360で除して得た額が傷病手当金より少ないときは、その差額分が支給される。

E. 誤り。昭26.5.1保文発1346号。被保険者の資格喪失前にかかった疾病又は負傷の療養についても、傷病手当金は支給される。

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