社労士(社会保険労務士)択一式の過去問演習


>>一般常識の過去問一覧

平成25年 - 32問 一般常識(労働組合法)

労働組合等に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

A.日本の労働組合の最大の特徴は、労働組合が企業別に組織されているいわゆる企業別組合である点にあり、使用者は、労働者の労働条件の変更を行う場合には、まず企業内の多数労働組合と団体交渉を行う義務を負う。
B.プロ野球選手、プロサッカー選手等のスポーツ選手は、労働組合法上の労働者に当たらないため、これらのプロスポーツ選手が労働組合を作っても、団体交渉を行う権利は認められない。
C.使用者が組合員の賃金から組合費を控除しそれを労働組合に引き渡す旨の、労働組合と使用者との間の協定(いわゆるチェック・オフ協定)は、それに反対する組合員にチェック・オフを受忍する義務を負わせるものではなく、組合員はいつでも使用者にチェック・オフの中止を申し入れることができるとするのが、最高裁判所の判例である。
D.労働組合が、総選挙に際し特定の立候補者支援のためにその所属政党に寄付する資金を集める目的で組合員にその費用を負担することを強制することは、労働組合の連帯の昂揚や存立基盤の確立のために必要不可欠なものであり、組合自治の原則に基づいて許されるとするのが、最高裁判所の判例である。
E.労働組合の目的は、賃金等の労働条件を維持改善し労働者の経済的地位の向上を図ることにあるから、いわゆるセクシャル・ハラスメントやパワー・ハラスメントなどを予防するための職場環境の整備は、いわゆる義務的団体交渉事項に含まれない。
解答をチェック!
A. 誤り。最高裁昭60.4.23/日産自動車事件。判例は、団体交渉をする際に、使用者は多数労働組合との団体交渉を優先して行う義務を負うとはされておらず、いずれの組合との関係においても誠実に団体交渉を行うべきことを義務づけられている、とした。

B. 誤り。労働組合法2条、3条。プロスポーツ選手は、労働組合法上の労働者に該当する。

C. 正しい。最高裁平5.3.25/エッソ石油事件。

D. 誤り。最高裁昭50.11.28/国労広島地本事件。判例は、設問のような目的で組合員から寄付金の費用負担を強要することは許されない、とした。

E. 誤り。労働組合法7条2号。セクシャル・ハラスメントやパワー・ハラスメントなどを予防するための職場環境の整備は、義務的団体交渉事項に含まれている。

6