社労士(社会保険労務士)択一式の過去問演習


>>平成20年 過去問

平成20年 - 47問 健康保険法7

次の記述のうち、正しいものはどれか。

A. 健康保険の被保険者が75歳に達したときは、健康保険の被保険者資格を有したまま後期高齢者医療の被保険者となる。
B. 結核患者である健康保険の被保険者が公費負担による通院医療を受ける場合、原則として、その費用の70%を健康保険が、30%を都道府県が負担することとされており、当該被保険者の負担はない。
C.(法改正により削除)
D. 第三者の行為によって給付事由が生じた被保険者の傷病について保険者が損害賠償の請求権を代位取得した際、自動車損害賠償保障法による自動車損害賠償責任保険において被保険者の重過失が認められ、保険金の額が減額された場合には、保険者は過失により減額された割合で減額した額で加害者側に求償して差し支えない。
E. 健康保険組合の設立を命じられた事業主が、正当な理由がなく、厚生労働大臣が指定する期日までに設立の認可を申請しなかったときは、6月以下の懲役又は50万円以下の罰金に処せられる。
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A. 誤り。健康保険の被保険者が75歳に達したときは、健康保険の被保険者資格を喪失し、後期高齢者医療の被保険者となる。なお、後期高齢医療の被保険者となるのは、以下の場合。
1.後期高齢者医療広域連合の区域内に住所を有する75歳以上の者
2.後期高齢者医療広域連合の区域内に住所を有する65歳以上75歳未満の者であつて、厚生労働省令で定めるところにより、政令で定める程度の障害の状態にある旨の当該後期高齢者医療広域連合の認定を受けたもの(法3条1項7号、2項ただし書、法36条3号、高齢者医療確保法50号1号)

B. 誤り。原則として、70%が健康保険、25%が都道府県、5%が自己負担となる(法55条3項、感染症予防法37条の2、1項、同法39条1項

C. (法改正により削除)

D. 正しい。法57条1項、昭和49.1.28保険発10号・庁保険発1号
(損害賠償請求権)
第五十七条  保険者は、給付事由が第三者の行為によって生じた場合において、保険給付を行ったときは、その給付の価額(当該保険給付が療養の給付であるときは、当該療養の給付に要する費用の額から当該療養の給付に関し被保険者が負担しなければならない一部負担金に相当する額を控除した額。次条第一項において同じ。)の限度において、保険給付を受ける権利を有する者(当該給付事由が被保険者の被扶養者について生じた場合には、当該被扶養者を含む。次項において同じ。)が第三者に対して有する損害賠償の請求権を取得する。
2  前項の場合において、保険給付を受ける権利を有する者が第三者から同一の事由について損害賠償を受けたときは、保険者は、その価額の限度において、保険給付を行う責めを免れる。

E. 誤り。健康保険組合の設立を命ぜられた事業主が、正当な理由がなくて厚生労働大臣が指定する期日までに設立の認可を申請しなかったときは、その手続の遅延した期間、その負担すべき保険料額の2倍に相当する金額以下の過料に処する(法218条)とある。故に、「6月以下の懲役又は50万円以下の罰金」としている部分は誤り。


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