社労士(社会保険労務士)択一式の過去問演習


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平成24年 - 3問 労基法(解雇)

労働基準法に定める解雇等に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せは、後記AからEまでのうちどれか。

ア. 使用者が、ある労働者を整理解雇しようと考え、労働基準法第20条の規定に従って、6月1日に、30日前の予告を行った。その後、大口の継続的な仕事が取れ人員削減の必要がなくなったため、同月20日に、当該労働者に対して、「解雇を取り消すので、わが社に引き続きいてほしい。」と申し出たが、当該労働者は同意せず、それに応じなかった。この場合、使用者が解雇を取り消しているので、当該予告期間を経過した日に、当該労働者は、解雇されたのではなく、任意退職をしたこととなる。

イ. 労働者によるある行為が労働基準法第20条第1項ただし書の「労働者の責に帰すべき事由」に該当する場合において、使用者が即時解雇の意思表示をし、当日同条第3項の規定に基づいて所轄労働基準監督署長に解雇予告除外認定の申請をして翌日その認定を受けたときは、その即時解雇の効力は、当該認定のあった日に発生すると解されている。

ウ. 使用者は、ある労働者を8月31日の終了をもって解雇するため、同月15日に解雇の予告をする場合には、平均賃金の14日分以上の解雇予告手当を支払わなければならない。

エ. 使用者が労働者を解雇しようとする日の30日前に解雇の予告をしたところ、当該労働者が、予告の日から5日目に業務上の負傷をし療養のため2日間休業した。当該業務上の負傷による休業期間は当該解雇の予告期間の中に納まっているので、当該負傷については労働基準法第19条の適用はなく、当該解雇の効力は、当初の予告どおりの日に発生する。

オ. 労働基準法第89条では、就業規則のいわゆる絶対的必要記載事項として「退職に関する事項(解雇の事由を含む。)」が規定されているが、ここでいう「退職に関する事項」とは、任意退職、解雇、定年制、契約期間の満了による退職等労働者がその身分を失うすべての場合に関する事項をいう。

A.(アとイ)
B.(イとオ)
C.(ウとエ)
D.(イとエ)
E.(ウとオ)
解答をチェック!
正解はEである。

ア. 誤り。昭33.2.13基発90号。解雇予告の取り消しに対して労働者の同意がない場合は、自己退職の問題は生じずに予告期間満了を以って解雇となる。

イ. 誤り。昭63.3.14基発150号。即時解雇の意思表示をした後に解雇予告除外認定を受けた場合は、使用者が即時解雇の意思表示をした日に解雇の効力が生じる。

ウ. 正しい。労基法20条。

エ. 誤り。労基法19条。使用者が30日前に解雇の予告をしたが、その後労働者が解雇予告期間満了前に業務上負傷し又は疾病にかかり療養のために休業した場合は、労基法19条が適用され、当該休業期間及びその後30日間は、解雇の効力は生じない。

オ. 正しい。労基法89条3項。

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